反格差デモについて 久保重明さまへ

久保重明さま 2011年11月8日
                       桒原利行 九拝
 
こんにちは。反格差デモについて、久保さんにいただいた内容をふまえて、わたくしなりの所感を述べさせていただきます。
 
(1)産業革命(大量生産大量販売)の終焉。
 
まず、(わたくしの)歴史観を述べさせていただきます。
 
18世紀イギリス発祥の産業革命=大量生産大量販売経済はヨーロッパ、アメリカ、日本そして(近年の)中国、インドなどアジアへと展開してきました。
同時に発達した経済学によるGDP信仰もあり、右肩上がり経済(=GDP膨張)という枠組みを前提としてきました。
しかし、イギリスをはじめヨーロッパ、日本そしてアメリカの順にその枠組みが崩れてきました。(注記:日本よりアメリカが後になったのは移民による後進国性の導入です)実物経済から金融経済そして知識経済への転換を余儀なくされています。
右肩上がりの時代ですから、深く考える必要もなくイデオロギー(思い込み)に依存することが可能でした。資本主義、共産主義などなどです。
大量生産大量販売には大量の資源と大きな市場を必要としますので、その奪い合いで20世紀は戦争の時代になりました。中国は遅れて来たので未だに帝国主義気分です。
イデオロギーに依存するということは二元論病にかかることでもあります。議論がしやすいし、正しい正しくないの二つですから戦争の理由付けに便利です。
 
(2)二元論の終焉と新しい枠組み(政治制度)の模索
 
アメリカは多くの民族を抱えていることから、民主党共和党と�いう労働者対資本家という分かりやすい利害集団を基盤とした二大政党政治でうまくやってきました。�(久保さんに教えていただいたように、根幹を握っているのはユダヤの巨大資本のようです)しかし、もうその枠組み自体が成り立たなくなって来たんだと感じています。
 
日本も同じです。アメリカを真似て二大政党政治を目指しましたが、誰がリーダーになっても結果は出ない。(右肩上がりの時代は大きなミスさえ無ければ誰がリーダーでも構わない時代でした)日本も枠組みを変えないと立ち行かない。
 
ヨーロッパ、日本そしてアメリカと新しい政治制度の模索の時代にいます
 
 
 
(3)デモ
 
デモという民主主義の訴求手段は日本には根付きませんでしたが、フランスそしてアメリカさらにアメリカ思想が広まったアラブでも大きな力となっています。インターネットという情報技術の発達が支えています。
かつての中国の天安門のように、あるいはアラブのように、デモを武力で抑えることは難しくなっています。リビアのようにインターネットにより兵士そのものの気持ちが揺れてしまうからです。
オバマはその本質を理解しているから反格差デモを押さえつけられないわけです。しかしデモに参加している人々の中核にいる人はオバマあるいは他の誰が大統領になっても満足できないのではないかと感じます。どうしようもない経済の停滞により、反動で共和党に政権が移る可能性も無いとは言えません。(候補者の決め手がみつからない様子ですが)
 
(4)カネからココロへ
 
わたくしの(いつものように楽観的な)見通しを述べさせていただきます。
一部のユダヤ巨大資本による支配が終わると思います。インターネットはココロをつなげココロを起動させて社会が動くからです。
ただ、すぐには難しいと思います。ヨーロッパが戦争の時代を終わらせるのに100年近くかかったように、カネ本位の社会を終わらせるのに同じくらいの時間がかかるかもしれないので、21世紀の終わり頃になるでしょうか、新しい枠組みが生まれるまで。それまでは混乱の時代が続くと思います。
(武力による混乱の時代ではなく経済の混乱の時代です)
 
 
以上でございます。引き続き考えて参ります。ご指導よろしくお願いします。