キャノンが危ない!!

キャノンは20年前 企業ドメインの見直しを行った いわば その遺産で現在の繁栄がある
しかし今 生産技術に一日の長があるとはいえ デバイスで他に秀でたものは 残念ながら 見当たらない

ということは あと20年 いや 10年 もっと早ければ5年先があぶない
こんにちのソニーの姿が重なる!!

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以下引用


今から約20年前の1984年、当時キヤノン社長だった賀来竜三郎氏はこのOB氏にある
相談を持ちかけた。創業50周年を迎える87年に、次の50年のキヤノン像を打ち出した
いがどうだろうかというものだった。

 技術者であるOB氏は、当時技術を統括していた御手洗肇専務(後の社長、95年に死
去)の補佐役。その関係から賀来社長(当時)に技術をベースにしたキヤノンの将来
像から相談を受けた。このOB氏は賀来氏にこうこう答えた。

 「50年先は私の目はもう黒くないはずです。そんな先までの技術を見通すのは難し
いですが、20年から30年先なら私も生きているでしょう。そのぐらい先ならどうにか
できるでしょう」。

 賀来氏から了解を得たOB氏は、それから4年間、全社を巻き込んで長期計画作りに
入った。その成果は50周年の87年にキヤノンが明らかにした「第二の創業ビジョン」
であった。OB氏は第二の創業ビジョンをまとめるにあたり、当時のキヤノンが克服す
べき課題、長所を技術的な視点から紐解いた。

 「コンピューターを代表に時代はハードからソフトやシステムに技術の中心が移行
するが、キヤノンはハード一辺倒で成長してきたためソフトやシステムに弱い」。
キヤノンはメタル文化に浸かっているが、シリコン文化とは遠い存在だ(機械系に
は強いがエレクトロニクスの技術では弱いという意味)」、「今後はネットワーキン
グの技術が重要になる」。

 これは役員幹部クラスから中堅社員、さらに外部の取引先まで巻き込んで出てきた
当時のキヤノンの長期的な課題の一片だ。今から見れば当然、取り組むべき内容なの
だが、インターネットが普及する10年以上前の議論であることを考えれば、けして無
意味なビジョン作りでなかったと言えよう。

 「今の日本企業に欠けているのは、長期的な目標だ」とこのOB氏は主張する。目先
の利益から離れて時には夢を語り合う機会がなければ、解決すべき課題も強化すべき
部分も認識できないからだ。

 変化の激しいスピードの時代に長期的な目標は意味をなさないとの見方はあるが、
スピードの時代だからこそ目標をしっかり見据えることが必要だ。誤った道から正し
い道に引き返すまで時間がかかる。時間のロスが大きければ、資金の流出額も多くな
る。変化が激しくなればなるほど、長期的な目標の重要性は増すと言えないだろう
か。

 ここで、登場したキヤノンOB氏の名前を紹介しよう。氏は山之内昭夫・技術経営教
育センター代表。