"Yumekiten(夢起点)"スティーブジョブズは夢起点を盛田昭夫に学んだ

ティージョブズはパソコンの世界を井深盛田アプローチで作り替えた

夢起点アプローチだ
序文

 わたくしは、いわゆる団塊の世代です。1970年代に産業界に身を投じました。そのころは創造性に満ちあふれ、現在の仕組みのほとんどがこの頃までにつくられたと考えています。ところが2000年代に入り、往事の活気が全く失われているのを感じ始めました。大企業病とか官僚化という言葉で表される硬直化した組織運営です。業績は右肩上がりを続けているという印象を残している時代でもありました。ですから、現状に何も問題はない、という大方の雰囲気でした。しかし自分は納得がいかず、組織の中に有ってなんとかこれを打破できないものか様々なアプローチを試みました。いずれ他業界や行政や政界の方々と接していて気づきました。これは日本の問題だ、と。
 科学技術の分野では機械や電気、化学や原子力といった分野の発達が一巡し、脳科学や遺伝子科学のようなライフサイエンスの発達が目立ってきました。本来の日本人らしく 生き生きと創造性豊かに生きるには、ライフサイエンスでこれを証明し方法論を示せば良いのではないか、ライフサイエンスで世直し人直しが可能ではないかと考えてきました。武者利光先生・仁木和久先生・光吉俊二先生に助けていただいて進めています。
 また、台湾や韓国の国ぐるみの台頭で日本の強みも次第に失われていく危機感を感じ、日本ならではのモノづくりをどうしたら良いか模索をはじめていました。そんな折り、二つの出会いがありました。ひとつは漫画家の鳥山明さん「欲しいクルマが無い、こんなクルマを造ってくれるところはないか」と具体的なコンセプトといくつかのアイデアスケッチが提示されました。もうひとつは高級官僚の方「クールジャパンをはじめたので、面白い提案が欲しい」というものでした。どちらも2010年6月のことでした。
これをきっかけに、日本の核になる考え=COREiDEAというプロジェクトが生まれました。皆さん国を憂いて手弁当でのご参加でした。COREiDEAの名称およびロゴそしてシンボルマークは神谷きいろさんによるものです。
 さらに、2011年になって島田文吾さんとの出会いがCOREiDEAを広げました。
創るだけでなく再編集する、日本独自の考えへの展開です。島田さんは日本の文化財の維持と再生を私財をなげうって進められています。

 COREiDEAの狙いは日本を日本人の元気を取り戻すことです。

 これまでの日本の産業のやり方は品質と価格に重きをおいたモノづくり中心。これだけでは中国や韓国などアジア諸国の中で埋没してしまう心配が出てきました。メイドインジャパンの誇りが薄らいで来ています。もういちど日本人らしさに立ち戻って産業の在り方を考え直し、日本人が元気になるようなやり方を模索したいと考えています。
キーワードは創造性と情緒的価値と感じています。
 経済成長に重きを置き過ぎた結果、心が貧しくなっていることを痛感します。競争に明け暮れることは日本人のDNAにとって得意なことではないような気がします。カネだけで幸福になれない人も多いのではないでしょうか。心が貧しくなった結果、日本の文化財がなおざりにされてきたのでしょう。

 日本の日本人の元気を取り戻すヒントは地域文化に有り、と分かってきました
まず梶谷俊介さん。大都市以外の日本の各地域にもたくさんの自動車が普及している。しかしほとんどは車庫で眠っている、送り迎えや買い物くらいにしか家庭用の自動車は使われていない。他方テレビではグルメや旅番組が全盛、でも実際の行動には結びついて居ない様子だ。自動車にグルメや旅行地それも遠くない地場の情報をつなげたら、もっと自動車を使って人々は楽しむに違いない、と。
場所文化、という言葉もいただきました。いままでは主にテレビを介して東京から日本の各地域に文化が伝達されてきました。地方という言葉もそういうニュアンスを含みます。
これからは各地域が文化を発信する時代だ。場所文化を発信すべきだ、と教わりました。
 次に貴重なアドバイスをいただいたのは板垣伴信さんです。まず日本のカーナビはすばらしい!良い意味でのガラパゴス、独自の優れた進化をしている。そしていくつかの改善点も示していただきました。その中の極めつきが相棒としてのカーナビです。まずお抱え運転手のように、会った最初の5秒でご主人様の間合いをとり挨拶を(カーナビが乗る人に挨拶を)する。そして音声による感情認識技術で車内の気配を察する。楽しそうな様子ならどんどん(カーナビが)話しかける、いらいらを感じ取ったら沈黙に移る。
ドライバーのプロファイリングをしておき、運転の癖や進路選択の履歴を蓄積しておき
「なかなかカワイイなびちゃんだ」と感じさせる、というものです。
 そこから数人のアイデアマンのブレストが自然発生して「寄り道案内ナビ」が生まれました。最短距離や最速ルートを案内するだけでなく、乗った人の好みに応じた場所文化の案内をする、楽しさをくれるカーナビです。「寄り道案内ナビ」は板垣伴信さんや光吉俊二さんのアイデアを合わせて「むだなび」と呼んでいます。
島田文吾さんは媒体もご自分でお作りになったりツアーさえも企画されて文化施設の紹介に心を砕いていらっしゃいます。「むだなび」が実現すれば文化施設も多くの人々にとって身近なものになるに違いありません。

 クールジャパンという切り口を大上段に構えて考えますと、日本とは何か、日本文化さらには日本文明というような言葉に行き着いてしまいます。無論このことはしっかり整理する必要がありますが、そのための論議に時間を費やすよりも具体的に日本人らしい姿を形作ってしまうほうが早道と考えるにいたりました。日本を日本人の元気を取り戻すには
日本人らしさや日本人の強みに注目することが取り組んでいる我々にとって楽しい。明るく元気に楽しくやるのが日本人、とそう考えることにしました。

 今回の震災は多くのことを感じさせ考えさせてくれました。生命の大切さ、気高い生き方、つながりの大切さ、そして千年単位の歴史観です。これらを 大黒柱として新生日本を建て直さなくては
なりません 以上


東京通信工業の時代
soniブランドを経てSONYブランドを立ち上げるまでには電気を使った様々な商品にチャレンジしていた
ドメインは電気B2C

ティージョブズはパソコンでB2C
Appleに復帰してから
井深盛田SONYの夢起点アプローチに転換した

同じ井深盛田アプローチをなぞるサムソンは
創造力と技術力のハンディを抱えながらも政商の立場をうまく活用している